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とはずがたり

ぬるま湯の中 首までつかってる いつか凍るの それとも煮え立つの

阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ@本多劇場

感想 舞台

涙の大楽の次の日に阿呆の鼻毛ですよ。キラキラした世界から息苦しい世界へのこのギャップw
情報解禁時に、うおー!これは!絶対行く!って思ったけど、冷静になったら凱旋あるし無理じゃね?って。そのあと、緋色も入っちゃったし、ぴろしイベも参加決めたしでスルー。それでも行きたかったらその時は当券でって思ってたらさ、あんまりハケがよくなかったみたいで、プレイガイドさんからメールくるもんで思わず買っちゃったよね。スケジュール的には無理すれば2回入れたんだけど、テニミュの合間にこの作品をはさむ気にはなれなくて結局1枚だけ。正直、1回じゃ全然わかんないです。ほんと外枠の印象しかつかめてない。


橋本さんはね、相変わらず語彙がなくて申し訳ないけれど、すごいです。静と動だったり日常と狂気だったり、そういう相反する2つを絶妙なバランスで表せる、うんごめん抽象的過ぎて自分でも何言ってるのかちょっと…。あと、着替えでパンイチになるわ、うんこしたいとか言ってケツ出すわ大変です。これを平田やたっくんがやるとなると違う意味を含みそうな気になるんだけど、あっちゃんなら全然平気、ただ普通に着替えてるだけだしうんこしたくなったらそりゃ野グソもするわなって思えるところからして、私は橋本淳をなんだと思ってるんだって感じですが、でもあっちゃんの強みはそこだとも思います。近くでみると確実にキラキラしてるのよ?スタイルもいいのにね。なんでだろうね。ただ、そういうキラキラオーラの着脱が自由自在にできるところが好きです。いわゆる「イケメン俳優」と「若手俳優」をニアイコールで結んじゃいけないという論を体現している存在だと思いましたね。(実際のところ、これは私の見方が悪いのも分かっています。橋本さんは私が追う中で唯一ミュキャスじゃないので。これほんと大きいと思います。よくないと思いつつ、しょうがない。)
登場人物についてもすこし。春彦は幼少期からすこし歪んでいたとは言え、捕ったザリガニを潰しちゃう残酷さって子供なら少しはあると思うんだけど、それを周りの大人がうまいこと軌道修正してあげられたら何の問題もないはずなのに。でも夏彦(父)は漁師で家を長くあけていたから、子どもとの付き合い方がわからなくて、結局臭いものに蓋をしちゃったわけですよね。春彦を金物屋に閉じ込めちゃった。そして金物屋の暗闇で身を潜めていたら母親への愛憎をこじらせちゃって年配の女性ばっかり殺すわクジラに憧れるわで手の付けられない状態に。そうなってからあわてて軌道修正しようとしたのにどうにも上手くいかなくてスパナで頭を殴っちゃう夏彦が一番、村の閉塞感に苦しんでるのかもしれないですね。
あとなんだろう…。観終わってすぐ思ったのは、クジラは母親の象徴なんだろうな、と。結局、20年前に蒸発した母親を求めて苦しんでるってことなんでしょうね。だからこそラスト父親に首しめられてもがきながら「お母さん」と叫ぶのだと思います。そのあたりはそれでいいんだけど、なんでノアの方舟だったのかはいまいち。つがいであることってそんなに重要ですかね…。
あと、クロスワードに関しては全くわからないですよ。1つの文字が2つの言葉になるとか、字数の制限があって、意味は同じでも型にはまらなくてはいけないとか、それが同時に満たされて初めて「正解」となる、とか考えてみたけど無理でしたね!w話の中で出てくる、「海と陸が接するところ」も、「かいがん」でも「はま」でも「きし」でもなくて答えは「いそ」なんですけどね。この中でなんで、磯を選んだかにも本当は意味あるんだろうけどねー…
それとね、個人的にすごく稔(春彦の友人、ずっとクロスワードやってる)が気になっていて。どうしても「いそ」が出てこなくて、「かいがん」だって間違いじゃないし、もうそれでいいやって思うのに、でも「かいがん」じゃダメなんだよ。ずっと気になってる自分がいるんだ。と叫び散らす稔の言葉が、間違いではないけど正解ではないということがこの作品にどう反映されてたのか、もう曖昧な記憶では判断しかねるので、ここで思考停止です
私は文章を書く人間ではないので構成力もないし、ここが伏線になってたのか、とか、この台詞があそこに繋がってとかいう考察は苦手でキャラ考察に逃げがちなんですが、それこそ村特有の村人のことは何でも知ってるぜ!的な関係性ができあがってるこの作品は人物関係すらも1回じゃ理解が難しい。まあ盛大に言い訳すれば役者さんが台詞覚えて噛み砕いてっていう作業をしてきたものをたった1回だけみて、なるほど!って思うのは無理な話だと思うのよね。うんだってあっちゃんも1回観ただけじゃ分かんないと思うって言ってたもん…。
正直上の疑問が正しいのかどうかすらわかりません。でも単純におもしろかったしいっかな。もう確認する術もないし、わからない時は諦めて、考えるより感じるしかない…とおもいます
とりあえず、OPと終わり方が死ぬほどかっこよかった。OPは作品のキーワードがクロスワードパズルなので、照明をつかってそれをセットに映しだすんですけども、それがめちゃくちゃかっこいい。スタイリッシュ。マッピングっていう技術らしい。雨の照明演出とかもすごい細い光で本当に降ってるみたいだった。終わり方は、夏彦に首しめられて苦しむ春彦が最後にクジラを見つけるんですが、そのクジラに客席までもが覆い尽くされるような演出で暗転していくので、もうとにかく怖い。明転した後もしばらくは暗闇に飲み込まれることへの恐怖がのこる、後味がいいとはいえないけれど不快ではない、不思議な作品でした