とはずがたり

ぬるま湯の中 首までつかってる いつか凍るの それとも煮え立つの

『銀河鉄道の夜』@シアターサンモール

16日の公演を観てました。
ジョバンニ:大河元気、カンパネルラ:八神蓮、車掌:藤原祐規でした。
カンパネルラは、けんとだったんだけど、急病で降板により王子が代役でした。


いやー、みんな稽古期間少ない中で凄いわ。銀河鉄道の夜みて泣くとは思わなかったよ。
サンモールって広くないし、縦長だから一体感が生まれるよね。特に銀河鉄道に乗ってから、一緒に乗ってる感はんぱなかった。
ジョバンニが寝そべって、車掌が登場して「銀河ステーション、銀河ステーション」ってところが、照明も綺麗だしものすっごいカタルシス。ガタンゴトンガタンゴトンっていう音響も照明も流れるように移動して、客席まで乗客になれて、ほんと鳥肌立った。あと、客席降りて読み上げることも多くて、それも理由かな、と思う。セットも、ジョバンニが座る座席とカンパネルラが座る座席が、最初はちゃんとボックス席の体をなしてるんだけど、途中から客席に向かってハの字に広がるのね。まあ単純に向き合われたら顔が見れないってのもあるんだろうけど、空間が客席側に広がるから、舞台上たけの閉鎖的な空間じゃなくて、みてて気持ちよかった。


キャスト感想。総じてみんな声がいい!朗読劇はこれ大事な要素だよなと思った。
元気さん
まだまだジョバンニいけるよ。ていうか、裏僕からの流れでこんだけ純粋な少年できるのかよ…ほんと、切り替えとかどうなってんのこの人。時折みせる不安そうな顔つきがとんでもなく切なくて、どうしようかと思った。あと、わたし、元気さんのビジュアルがどうこう言うことってないんですが、この元気バンニまじかわいいっす。あの色であのパーマで…すてき…。ブロマも素敵だったけど、パンフの方の写真でリスを前に出してはにかんでる写真が一番かわいい。あざとい。好き。
王子
相変わらずの囁きボイスなんだけれども、でもカンパネルラらしくてよかったと思う。王子のお芝居はなんだかんだそんなに観たことなので、ごめんなさい幸村のイメージが強いからか、どうしたって儚い印象があるんだけど、今回ぴったりだったと思う。
ふっきーさん
好きだよ。声優仕事や素顔の少年みたいに、ふっきーがキャーキャー言われる(よね?一応…)仕事は一切みていないので、ファンとは絶対言わないけど、前からふっきーのお芝居はすごく好きです。アンチョビーを観に行ったくらいにはw*1だから、1回行くなら元気さんとふっきーの回を選んだのだけれど。まあなんと器用な人かと。何役もこなして笑いもとっていくという。


そして。問題のけんとさんについて。
まず代役がおかしい。だって、元気さんはジョバンニなのに、カンパネルラの代役やるとか普通に考えて頭おかしい。いくらスケジュールとれなかったからといって、元気さんでいこうという製作側もすごいよね。でも、それだけ信頼されてるんだと思うと誇らしいです。やっぱり大河元気は凄い男です。稽古時間、3時間だったんだって。やっぱり頭おかしいよね。本人はそろそろカンパネルラやりたいって言ってたし、本当は観たかった。フォロワさんも無理をしてでも観るべき舞台だったとか言ってて。正直すごい悔しいけどさ、本当に無理をして自分を削っていくのは違うよね(と、自分に言い聞かせています。最近そんなんばっかりだ。つらい)
けんとさんからは、終演後に肉声メッセージありました。もう、つらかった。聞いててわたしがしんどかったよ。もう、本人が舞台に立てなくて申し訳ないと口にしたことがしんどい。肺気胸って言われた時に、どこかでやっぱり…って思ったんだけど、ぶわぁって涙でてきて、わたしでこんなになるなんて、けんとオタさんを思うとつらい。僕はいたって元気ですので心配しないでください、とか言われれも、その声聞いて心配せずにいられるかよ…って思ってたら、そのすぐあと登壇した元気さんが、無理だよねえ?って言ってちょっと笑いに変えてくれて、すごい救われた。そのあとも、25歳でこのかっこ(半ズボンにハイソックス。サスペンダーもしてる。)して、笑われたらどうしようって思って、それで緊張してた、とか、膝こぞうでてるの恥ずかしいとか言って会場の雰囲気変えてくれて、もうほんとこの人はヒーローだと思った。そういう意味では王子のマイペースもずるいよね。元気さんが緊張してたって言ったら、ふっきーが「ほんとに緊張してた?」って聞いたんだけど、王子が「うん。元気、してた。」って答えたのが、ほんとおもしろくてね。文字に起こすとそうでもないんだけどw王子が言うと面白いんだよねえ。ほんと、持って生まれた天性の憎めなさだよね。ふっきーは、子役のお守りで緊張するヒマもないということでw袖でずっと「0.1秒で手を挙げろ!バーン!」とかやられてるらしい。5回くらい続くからもうしんどいって言ってたw
というか、アフタートークもあったなんて聞いてない。これは、けんと降板に対する配慮なのかなとも思うけど、最初からこの予定だったのかな。しかし、この作品は、違うキャストでみたら絶対もっと楽しめたと思うから、それが悔しいかな。あと単純にもう一度観たい。ニコニコでも配信されるみたいなんで、楽しみに待ちます。


さいごに。極上文学が好きだなって思った。制作さんの意思というか、若手俳優をどう扱ってどういう舞台をつくりたいのかが明確でいい。第1弾は観てはないんだけど、キャスティングが好みってのもあるので、そういう意味でもこの企画の今後も楽しみです。

*1:ふっきー、しゅんりー、ほったま、岩下さんのユニット。3年前に1回だけ公演して音沙汰なしだけど。まあ、みんな忙しいからね。ほんと、あの頃から比べたら仕事量増えたよね。